プライドがチョモランマで崩壊しそうだってよ

プライドが高い33歳女子の普通の日常を小説形式でお届けします。

行きつけの店

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タクシーの中では他愛も無い仕事の話なんかをして。

マイと美香の話に触れる事はなかった。

 

ワタシもあえて、避けていたのかもしれない。

 

 

少し沈黙が続いたその時、キラリと光る結婚指輪が目に飛び込んできた。

 

 

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「あ、、あ、ご結婚されたんですよね。おめでとうございます。」

 

なぜかこのとき、ほんの少し、胸の苦しさを感じた。スキナハズナイノニ・・・・

 

 

カズキはうれしそうな顔をするわけでもなく、まるで聞かれたくない話かのようにすぐに話題を変えてきた。

 

「あ、うん。そうだよ。そういえば上野動物園貸切ってできるの!?」

 

「それが難しそうで・・ちょっと煮詰まっています。」

 

「やっぱり国営の動物園だから判断に時間がかかるよね。民間が運営しているところいくつかピックアップしてリストおくるよ」

 

「え・・いいんですか?助かります・・!ありがとうございます!!正直、上野動物園がダメそうでへこんでいたんです・・・!!」

 

「そんなのお安い御用だよ。クリスマスツリーにお願いするんじゃなくてボクを頼って」

 

 

カズキのこういう男らしさにマイと美香が惹かれたんだろうな。本当に魅力的な人。

 

 

「さぁ、ついたよ」

 

タクシーが止まった先は

 

イタリアンキュイジーヌ「ピア・デ・リストランテ

 

 

「あ、ここしってる・・」

つい声が漏れてしまった。

 

この店は紛れも無くマイと美香とカズキで行った店。

 

「あれ?来たことある?ここのサルシッチャのペペロンチーノが絶品なんだよ!!」

 

パスタが大好きなカズキ。無邪気にキラキラした目でそんなこと言うから、思わず、愛おしいと感じてしまった。

 

「アハハかわいいですね。初めてきました^^サルシッチャのペペロンチーノ楽しみです。」

 

 

店員「桜井様いらっしゃいませ。いつものお席ご用意させていただきました。」

 

 

店の中に入るとカズキはこなれた感じで店員さんにはなしている

 

 

「今日のフィレってどんなかんじ?シャトーブリアンかーじゃぁさっぱりとバルサミコソースにしようかな。あとグラスで泡をお願いします。」

 

慣れているカズキに見とれて・・はじめてくるステキなお店に緊張して・・・

シャンパーニュが運ばれてくるまで、私は何も話す事ができなかった。

 

「中村さんシャンパン大丈夫だった?無理なら言ってね。」

 

まだシャンパーニュを飲んでいないのに、

 

顔が真っ赤になりそう。

そしてワタシの心臓の鼓動がカズキに聞こえてしまうんじゃないかって程大きくて・・・どうしてだろう。

 

 

「あまりお酒強くありませんが、シャンパンは大好きです。」

 

「そっか。よかった。じゃ、今日の偶然の出会いに乾杯。」

 

 

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グラスを重ねた瞬間には、もうスキになっていたんだと思う。

 

 

 

 


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