プライドがチョモランマで崩壊しそうだってよ

プライドが高い33歳女子の普通の日常を小説形式でお届けします。

忘れたい男

ツライ 悲しい 消えてしまいたい


会社を辞めて明日で一週間が立つ。

 


マイと美香、そしてカズキからも当然連絡はない。

 


今まで忙しく働いていたから友達からメールが来ても返信が遅れがちだったワタシ。

 

誰からも連絡がこなくなった今、時間を持て余しすぎて気づいたら友達の友達の2年くらい前までのフェイスブック記事も読み切った。

 


失業とともに大切だと思っていた人も、自分の居場所も全部消えてなくなった。

 

 

 

(あんな大事件があったんだもん。仕方ないよね。)

 

 

自分にそう言い聞かせる。

 


次の会社を探さないといけないけど、パソコンを開くと決まって
『失恋 立ち直る 方法』『不倫 逆襲 どうやって?』のワードばかりを検索してしまっている。

 


ワタシはカズキを吹っ切れる日がくるのだろうか。
カズキは何事もなく奥さんとこれから生まれてくる赤ちゃんを楽しみに過ごしているのだろうか。

 


そう思うと、また涙があふれてくる。


今日の夕飯はスーパーで買って来たカニが入っていないカニクリームコロッケともやしのナムル。
昨日の夕飯は閉店間際に安売りしていた焼き鳥やのつくね五本ともやしのナムル。

 


モウドウデモイイ。

 


カズキとシャンパンを奏でた頃が懐かしいな…

 

 


スマホで撮ったカズキとの写真を眺めながらカニクリームコロッケを食べていると
画面の上にラインのメッセージが表示された。

 



カズキだった。



なんで・・・、もう連絡なんて来ないと思ってたのに・・・!!!!!!!

 


思ってもいないタイミングで食欲が一気になくなった。

 


メッセージがすごく気になるけど、開封すると既読がついてしまう。
しかもカズキからまた優しい言葉をかけられたりなんかしたら・・・


今のワタシは自分を抑えることができるのだろうか。

 

 

震える手でメッセージを開封した。

 

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”とつぜん、会いたいなんて、夜更けに何があったの?”


ずっと一緒にいようね、と誓った指切りの壁紙に心がギュッと締め付けられた。