プライドがチョモランマで崩壊しそうだってよ

プライドが高い33歳女子の普通の日常を小説形式でお届けします。

シオリ プロローグ

いつ何を間違えたのか。小さなころ思い描いていた未来には程遠いとこに今いる。

”ワタシハイイコ”だったのに。

 

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「マリちゃんのマリンブルーのお洋服かわいーね!どこで買ったの?」

 

見た目2980円ぐらいであろう安っぽいワンピをきた26歳の後輩はいつも着ている服が安っぽい。いや、本当に安いものを着ているから時々こうしてバカにして聞いてみる。

 

 マリちゃんはうれしそうな顔で

「ネットでかったんですぅ。マリンマリンレーベルですぅ。シオリさん知ってますぅぅ?」といった。

 

 

 

 

聞いたこともないブランドにワタシは鼻で笑った。

 

 

「ネットで服かうんだーサイズとか質感とかネットだと難しくないー?あたしは1着1着を大切に着たいからいつも百貨店で良い物を買って長く着るタイプなんだよねぇ。」

 

こう言うとマリちゃんは尊敬のまなざしでワタシを見てくる。実に気持ちがよい。

 

 

 

でも本当はうそ。手取り25万しかないのに9万円もする家賃の家に住んでいるから洋服なんてユニクロでしか買っていない。

ユニクロバレしないために、地味でベーシックなものしか買っていないからワタシのワードローブから色が消えてきた。

 

ワタシは中村シオリ。33歳。

大学は国立を出て大手銀行に総合職(女性2名)として入るも、同期がやっている仕事をバカバカしく思えて、さらに仕事に費やす時間が多かったので、2年ほどはたらいて転職した。今は定時に帰れる法律事務所で事務をしている。

転職して本当によかった。総合職で働いているみんなは、まるで社畜

あんな上司のもとで貴重な20代を消費するとか、人生の無駄だと思う。

それでお給料が高くてうれしとか思っている人種と私は一生関らないし。

 

結婚は、慎重に相手を選んでいるので、まだしていない。

というかまだしたくない。

 

周りからも独身を謳歌していると思われているし、実際謳歌しているし。

 

別に、さびしくなんてない。