アイツに会うまでは。
ようやく迎えた週末。
休日のしおりの朝は遅い。
時計を見ると13時。
この時間まで寝れるなんて本当に幸せ。結婚してなくて本当に良かった。
昼ごはんに納豆ご飯を食べながら、自身のブログ「☆★毎日キラキラ生活★☆」を更新する。
おひるごはんー♥️おうちの近くの「レ・ピエモンテ」のクロワッサンにハマり中♬♪
あーんど!チアシードのスムージーでビタミン補給╰(*´︶`*)╯♡
「さて、と。」
今日の夜は大学時代のサークル友達と女子会だ。
月に一回くらいのペースで開催されるこの会は、全て独身女性で構成されており、彼氏ができたり結婚なんかしたりすると、とたんに少しずつ呼ばれなくなるという暗黙のルールが敷かれている。
私たちの中ではこの会を「プリンセス会」と呼んでいる。
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19時。時間どおりに到着。
本日のお店は、元麻布の路地裏にたたずむjapaneseキュイジーヌ「カーサ・デ・グランデ」。
店内は明るくモダンだが、木目調で統一された店内はどこか懐かしい。
その居心地の良さから「プリンセス会」のほとんどはいつもこのお店で開催している。
細い石畳を通り、暖簾をくぐるとそこにはすでにマイコが座っていた。
マイコ。
大学時代の一番の親友。
そして、大学時代に同じサークルにいたケンスケを共に好きになった恋のライバル。
その後、ケンスケはマイコと付き合った。
ケンスケとマイコの幸せそうな交際に、最初は素直に応援できず、一時期は二人を避けた時期もあったけど、でも、ワタシは最終的に友情を選んだ。
自分が好きだった二人が幸せになることを祝福するのが友達だと思ったから・・・
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トモミ「えーそれでマイコはいつから彼氏いないんだっけー?」
マイコ「もう2年くらいかな。恋愛の仕方、忘れちゃってさ。もうどうしよ~~」
シオリ「ダメダメ!彼氏いなくても男と食事くらいは定期的にしないと女が腐るよ!へー!すごいねー!尊敬しちゃう!この三言で男は大体喜ぶからさ、自信持って!」
マイコに恋愛の指導をするのは決まってワタシ。ちなみにわたしはここだけの話、もう四年彼氏がいない。
「さっすが!恋愛マスターシオリ!!やっぱり経験豊富なしおりからのアドバイスはなんか説得力あるー!」
実に爽快だ。
いつからなのだろう。
こんなに性格がひねくれ、プライドを守るためだけに嘘で塗り固められた生活を送るようになったのは。
『ワタシハイイコ』だったのに。
そう、アイツに会うまでは。